読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

山本ゆうごブログ

山本ゆうごの仕事メモ

ユーグレナのコアバリューを考えてみる

この記事 http://www.recomtank.com/entry/euglena をみて、いろいろ思うところあり。

起業から上場までのストーリーはR&Dからのスタートアップということで、注目は浴びておりました。

ただ、ビジネスとしては、健康食品というところで落ち着いている。

元は、食糧問題を解決するためのソリューションだったはず。しかしながら、ガチの貧困地域は金がないので売れない。そもそも貧困地域に直接食い物を渡すのではなく、本当なら貧困地域が貧困でなくするようなソリューションが必要。

一方で、貧困が解消するにつれ国民が金を持ち始めると、完全栄養食品よりも不健康な食事の方がニーズが高く、最終的にはダイエット食品に金が集まる。

本当に貧困地域の課題解決が金になるのなら、今頃アース製薬は超巨大起業になっててもいい(今でも大企業だけど「蚊を退治する」という社会的価値からすればマイクロソフトなみの会社でもいいくらい)。

そんで、ユーグレナです。食糧問題解決は金にならない。もう一つのイノベーションとしては、「燃料が作れる」ということ。石油王になれるとなるとこれは急に見る目変わりますよね。すごいすごいと。

1平方kmの培養プールで生産できるミドリムシは油脂換算で日間約11.4t

とある。一見すごい気がするが、1平方kmってでかすぎる。100万平方メートルなので。現実的には千分の1の1,000平方メートル換算にしましょう。20×50メートルのプールならそのスペースで何できるかが分かる。 改めて計算すると、

1000平方mの培養プールで生産できるミドリムシは油脂換算で日間約11.4キロ

ミドリムシの油脂の密度は知らないが、ざっくり10リットルとする。

ちなみに10リットルの原油がどれくらいかの価格かというと、今は1バレル(160リットル)40ドルだから、1リットルあたり約25円。原油と同じ価格で売るなら(売れるのか?)、一日250円の売上。プール1個の面積から燃料を得ようとすると年間では約8万円の売上。これちょっと厳しい。同じ面積つかうなら別の商売したほうが良さそう。

まとめると、ユーグレナ自体の技術的ブレイクスルーはすごいのだけど、商売を考えると、以下の点が課題。

  • 食料問題の解決はビジネスにはならず、必要とされているのは痩せ薬
  • 今あるエネルギー問題は、エネルギー不足ではなく、エネルギー価格が安すぎて投資が回収できないという問題

元を正せば、食べ物も燃料も原価までたどるとめちゃくちゃ安い。商売しようとすると、ある程度の「期待価値」みたいなのが必要で、結局将来的にも健康食品としてのポジションが一番ビジネスになるとは思う。「完全食品ミドリムシだけで絶食合宿!」みたいな「コト消費」にすれば、客単価15万もありえる。

あとは、日本の自治体が学校給食の地産地消をうたっているわりには地元の農産物の生産能力がないので、学校給食を独占するという手もある。