パワポアドバイザーは「スタイリッシュに見せましょう」とか「グラフのメモリやラベルは省略した方が見やすいでしょう」などと間違ったマナー講師になってしまってるので、あまり言うことは聞かない方がいい。パワポアドバイザーはパワポアドバイザーの営業トークでしかない。
賑やかしのクリップアートも要らない。書くことがなければ無理に余白を埋める必要などない。
基本はスライドはこの3要素。
- タイトル(テーマ)
- 結論
- 図表
図表だけだとダメでそれを同評価しているのかという意見も必要。 意見だけだとダメでどういう事実に基づいてそう判断したのかという背景が必要。
事実だけ見れば同じ結論が導けるはずだけど、資料を見せられる人は実は事実そのものには興味なくて、意見を述べた人がどういう背景でその結論に至ったのかという背景が知りたい。「この資料を作成した人が信頼にたる人かどうか」をみたい。
そして悩むのが文体。以下の選択肢がありえる。
- 体言止め or である調 or ですます調
- 句点あり or なし
スライドとしてのデザインの完成度が高い3社の決算説明資料をもとに見てみよう。
チャットワーク
体言止め x 句点なし https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS04681/0ede0bd0/d73c/40b6/8b41/8a47405060d1/140120200213464578.pdf
ユーザーベース
体言止め x 句点あり
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3966/ir_material_for_fiscal_ym2/89469/00.pdf
ほぼ日
ですます調 x 句点あり
https://ssl4.eir-parts.net/doc/3560/ir_material_for_fiscal_ym/75295/00.pdf
結論:すんごいバラバラ
一つの資料で統一する必要はあるが、どれもよく見るケース。
チャットワークの結論パートは箇条書きなので、箇条書きのフォーマットにならって句点(。)なし。
newspicksは新聞の見出しっぽいけど、新聞の見出しなら句点(。)はない。複数行をつなげるには、句点(。)込でやらないと繋がらないから仕方ない。
逆に珍しいのが全てに句読点を加えるほぼ日スタイル。通常はテーマ見出しには句点も読点もないのが大半だが、ほぼ日はすべての文章に句読点がある。上から順に声に出せばいいというスタイル。
一方で学術論文では体言止めが出てくると叱られることがある。「下品」と評されてることが多い。体言止め自体が新聞の煽り見出しっぽい印象を与えるということもあるんだろう。ビジネス文書での結論パートは「意気込み」を語るパートでもあるので、下品さが漂う体言止めもちょうどハマるのかも知れない。
硬めの企画書がゴリゴリの箇条書きの体言止めで書きながら、最終ページに熱いメッセージを書くやつもある。