山本ゆうごブログ

山本ゆうごの仕事メモ

「事業がわかるエンジニアがいない」

このブログに触発されて書いてる。

https://www.timakin.com/posts/hacker-and-suits

エンジニア以前に社会人としての成長段階を以下のように捉えている。

  • 自分の成長をコントロールできる
  • チームの成長をコントロールできる
  • 上司をコントロールできる
  • 顧客をコントロールできる
  • 市場をコントロールできる

さらに、エンジニアには、「技術の限界をコントロールできる」が加わる。つまり発明。

事業がわかるというのは、経営者の言ってることがわかるというよりも、ビジネスモデルがわかるということ。

ビジネスモデルというのは、「市場と提供価値・対価の回収方法・資源の調達方法」の3点セットが組み立てれるということ。「誰に何をどれくらい売るのか」を見通せるということ。

技術の限界を突破したとて、それが金になるかどうかは別問題。難しいけどお金にはならない技術をアラン クーパー は『踊るくま』と名付けていた。くまにダンスさせるのってめちゃくちゃ難しいし見せるとすごーいって言われるけど、役には立たない。なので、技術の限界をコントロールできるかどうかってところと、役にたつってところにはダイレクトな相関はない。

一番下のレイヤーの「自分の成長をコントロールできる」ってのも、めちゃくちゃお勉強が得意な人がそこで止まりがち。自分自身が踊るくまになりかねない。ただ踊るくまになるのか、スタープレーヤーになるかは「何をめざすか」次第。2011年にUnityがめちゃ得意なのと、2021年にUnityが得意というのとではバリューが変わってくる。150m走が速いのと100m走が速いのとではバリューが変わってくる。

成長するにつれて、自身を制御するだけではなく、他人を制御する。小さなところでは新人教育ができるかどうか。成長してくると「決済を通す」ってことをやるようになる。「自分のやりたいことを押し通すために、他人の態度を変える」ということをやるようになる。

いやいや商売はお客様のご希望にそうのが正義であって、だまくらかすのはダメでしょうという意見もあるかもしれないが、実際に私達は消費者として誰かから態度変容させられてる。昨日までと同じ生活などしてない。多くの商品は「もっと早くこの世にあれば」と思うものばかりだ。本や音楽などのエンタメは必ず新しいものばかりで満足している。

消費する側が常に行動を変化させられてるという現実がある限り、仕事ってのは「お金払ってくれる人をコントロールする」ということであり、それは顧客をコントロールするってこと。事業ってのは市場そのものを作り出すってこと。

話を戻すと事業とは「お金を出してくれる人の行動を変えることそのもの」であって、事業がわかるエンジニアってのは「お金出してくれる人の勘所がわかるエンジニア」ってことになる。