山本ゆうごブログ

山本ゆうごの仕事メモ

PDFが優れている理由

このTweetをみて思ったこと。

PDFは本当に見づらいのか

「何と比べて見づらい」のか。 印刷用PDFがをそのままスマホで表示すると文字が小さすぎて「見づらい」ということはある。 ただし老眼などで小さな文字が見えない人がスマホを使ってる時点で常にピンチアウトによる拡大は行っている。PDFの拡縮は日常的に行っている

逆に専用アプリの方が拡縮機能がないのでむしろ見づらい。高速に操作できることが大事ではなく、拡縮可能であるということが何よりも大事。

情報発信が容易か

PDFが優れているのはほとんどのアプリケーションからPDFは生成可能であるということ。 先のTweetではGISを推進しているが、ハザードマップに類するドキュメントは地図だけではない。地図以外の情報の方がむしろ多い。連絡先や集合場所などの常にアップデートされ続ける情報も必要。GISにドキュメンテーションの機能などない。

また災害時のドキュメンテーションの究極は「紙にマジックで書いてガムテープで貼る」が正解。 瓦礫の山に「山本ゆうご 避難しております。この部屋の住人は無事です」と書くことが大事。こういう情報がGISが吸い上げるわけもなく、誰もあてにはしない。

大量のA4用紙とマジックとガムテープを防災グッズに持っておくといいです。人々の約にたてます。

PCでダウンロードした動画をAndroid TVでみたい

以下あれこれ試した結果。

GooglePhoto + ChromeCast

早送りはできないが手軽

VCL Player for Adnrodid → PD USB HUB → USB SSD

Android TVが認識するUSB SSDが1個まで、なおかつフォーマットがFAT32なのでファイルサイズに限界がある。

VCL Player for Adnrodid → SMB → Windows

SMBがめちゃ不安定。トラブルが絶えない。

MX Player + File Manager Plus → SMB → Windows 👈 これが正解っぽい

File Manager PlusによるSMB経由のWindowsフォルダのマウントはかなり安定している。 動画再生はMX Playerに任せるという二段構え。

自作のChromeCastレシーバーを作成

あってもよさそうだけどない。

レーザーポインター(マウスでの注釈)の機能有無

レーザーポインター(マウスでの注釈)の機能有無

アプリ 機能有無 ゲスト書き込み
Slack
Zoom
Meet
Teams

Slack

Slackにもオンラインミーティング機能はある。ただし有料版のみ。Slackをまともの使うなら有料版にせざるをえないので有料版ユーザとみてよさそう。Slackならあらかじめチャンネルが分かれているので、すぐに画面共有するという流れが組みやすい。実はイチオシ。

ZOOM

ZOOMで画面共有中に注釈機能があり、マーカーで描画することができる。デフォルトは「消えないマーカー」だけど「消えるマーカー」を選ぶとじわじわ消えてくれるので人に説明するのにちょうどいい。オンラインコミュニケーションツールとしての性能はZOOMがダントツだけど、時間を決めた会議のときに使うフローがメイン。また、有料版を使ってる人が少なめで、無制限に画面共有したいときにはハードルが高い。

Meet

Meetでの画面共有中に注釈を足す機能はそもそもない。コラボレーションツールとしてホワイトボードというのもあるが、真っ白な紙にゼロから書いていくというもので既存のアプリやコンテンツに書き足すものではない。

Teams

Teamsにはレーザーポインターを出す機能はない。 しかし検索するとPowerPointのプレゼン機能のレーザーポインターが紹介される。PowerPoint意外のアプリ上でやりたくてもできないので、ガセ情報に注意。

対応してないオンライン会議ツールはどうするか

  • パワポに頼る
    • パワポにもGoogleSlidesにもアプリ側でプレゼン中のレーザーポインター機能は存在する。アプリ側で解決する。
  • マウスで文字を範囲選択する
    • ほとんどのケースではテキストベースのプレゼンだからテキストを範囲選択することで着目してほしい箇所をみれる
  • ZoomItを使う
    • Windows縛りになるけどオンラインミーティング関係なく、画面をズームさせたり画面に注釈を書き足すことができる
  • ブラウザ側で小さいDIVを足すブックマークレットを作る
    • 作ったものがこちら
    • ただしこれもブラウザというアプリでしか機能しない(が、利用範囲は広い)

ただしこれは画面共有している側が描画できるだけ。ZOOMとSlackの賢いのはゲストが書き込めるということ。だから「ここのボタン押してみてください」というコミュニケーションが可能になる。

画面共有するならSlackとZOOM

ZOOMが賢いのは想定していたけど、Slackの画面共有も意外と賢い。逆にGoogleとMSの画面共有に「ここ押してみたらどうなるんですか?」が出来ないというのが想定外。

AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について

このニュースをみて驚いた

AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について

このプレスリリースをみての所感

www.businessinsider.jp

「AI等を用いた契約書等関連業務支援サービスの提供と弁護士法第72条との関係について」の本体は https://www.moj.go.jp/content/001400675.pdf に公開さている。

ガイドラインがでたことで、合法違法の線引ができたことは好ましい。 法務省も前向きというスタンスもわかる。

ただし、ガイドラインでやっていい範囲をみると、これめちゃくちゃ厳しくないか。

1)お金とるとらない問題 法律相談でお金とったらだめだからね。有料サービスへの誘導もだめ。これはわかる。

2)雛形の提供ならセーフ

  • 質問に答えながら雛形を組み合わせるのもセーフ
  • ユーザのフリーワードを添削したらアウト
  • ユーザーのフリーワードを文字列一致で検出するのはセーフ
  • ユーザが直接使うんじゃないくて弁護士が使う分には何してもセーフ

セーフの範囲はわかった。あると便利だよね。ただそれってAIなの?Wordのマクロで十分じゃない?素のJSでできるんじゃない?「階層化された雛形ツール」でさえもこれまではグレーだったことを思うと十分な進歩だけど、添削からアウトとなると、みんなが期待するAIじゃぁない。

遺伝子検査サービスがあまり事業として伸びなかった背景メモ

23andMe みたいなサービスができてそれなりに普及するかと思った遺伝子検査サービス。

振り返ってみるとあんまり広がりがなかった。(盛り上がっていたのは2008年くらいか)

全く遺伝子検査が無駄かというとそんなことはない。実際にガンの検査のための遺伝子検査は保険が適用される。 ガン治療の際に遺伝子検査によってその人に効果がある薬は選べている。

oncolo.jp

ただ遺伝子検査キットが送られてきて唾液を送り返すだけの遺伝子検査はもはや占いに近い。 そして医療現場から離れた遺伝子検査は結果がでても次のアクションがない。

  • 遺伝子検査でアルコール耐性が低いとでた場合には?
  • その前にアルコールへの弱さは分かってるでしょう
  • 遺伝子検査の結果がどうであれ、酒に弱ければ飲まないでいい
  • 無理やり飲ませる人と付き合わない方がいい
  • ご先祖のルーツがわかった後にやるべきことは?無いよね
  • 遺伝子検査キットの結果って病院に持っていって病院は付き合ってくれるの?
  • 普通に人間ドッグを紹介されるだけですよね。それだけ?

以下のプレスリリースをみて、「これ答え合わせのやりようがないよね」「遺伝子検査がヘルスケアだとしてこの結果を受けて次私達は何をすればいいの?」って気になった。

prtimes.jp

人工知能が人間の代替である限り普及が厳しいという話

www.nikkei.com

この記事のサマリーがこれ

  • がんの早期発見に貢献するAI医療機器が普及しない
  • 病院にもうけが乏しく仕事を奪われる危機感も背景
  • 富士フイルムやオリンパスなど日本企業の強み生かせ

実際にAIに絡む仕事をしているとこの壁は感じる。新聞なので無理やり抵抗勢力が技術を潰しているかのようなメッセージになってるけど、フラットにみると普及しない理由もわかる。

一つ一つポイントをつぶす

がんの早期発見に貢献するAI医療機器が普及しない

価値が「早期発見」というところが辛い。早期発見は人にとっては価値だろうけど、商品として「早期発見サービス」というものが存在しない。商品としては検査でしかない。発見してもしなくてもお金は同じ。ユーザーは寧ろ発見しない方が嬉しいケースだってある。

「患者を陽性と判定する「感度」が約10%改善したとの研究成果がある。」とされているが、10%だと人間が診断する時の医師のパフォーマンスの差に埋まっているようにもみえる。

病院にもうけが乏しく仕事を奪われる危機感も背景

病院にもうけが乏しいというだけで十分普及の阻害要因になる。お金が貰えないということは価値がないということ。ありがちなAIはX線写真から病気を判定するものだけど、面倒なのはX線とるところであって診察はプラスα。一日に100枚が限界だった写真判定が1000枚が可能になるとかなら、スケールメリットはでるが、それをするには病院のM&Aをやって売上は維持したまま医師の数を減らして意味がでる。そんなこと本気でする?って話。売上が変わらない中での投資メリットってコスト削減しかない。そのコストが医師の人件費なら、ずばり医師を減らしましょうという提案でしかない。記事の中で「危機感」とあるけど、逆に医師の解雇以外になにか効果があるの?はっきり言え。

日本企業の強み活かせ

富士フィルムやオリンパスの強みは「人が見れないものを見れる」という撮影技術にある。「人ができないことができる」のと「人ができることができる」のとでは価値が全然違う。強みを活かすのならAIはさっさと手を引いた方がいい。

そもそも医療サービスに期待されるのって治療。検査がメインじゃない。AIがそんなに賢いならさっさと新薬を開発すればいい。タンパク質組成のシミュレーションなどでAI(というかシミュレーション)が使われてるけど、そこにバンバン投資をすりゃぁいい。つーか製薬会社の研究員なんて大昔からデータサイエンス集団だ。データの束から予測することを生業としている。

人工知能が人間の代替であるという限り厳しい

人ができることの代替だと人件費削減しか価値がない。人ができないことをやってこそ。なんならAIがやってることを人力クラウドワーカーで代替した方が雇用創出に繋がるので、そっちの方が社会的価値があるかも。AIが大量に消費する電力よりもクラウドワーカーの方がエネルギー消費も少なくて精度も高いかも知れない。AIに仕事を奪われるのを怯えるだけじゃつまらない。

日本でキャッシュレス化が進まないわけとその対応

  • 現金にかかるコストが海外から比べると低い
    • 偽札を掴まされるリスクが低い
    • 強盗に奪われるリスクが低い
    • 両替コストが低い
  • キャッシュレスビジネスの収益性が低い
    • 中国みたいに個人情報を相互利用することができない
    • 北米みたいに利用者が借金してくれない
  • つまりキャッシュレスを進めるためには以下をやればいい
    • もっと紙幣をチープにして偽札リスクを高める
    • 警察をもっと減らして強盗リスクを高める
    • ATMで現金を取り扱うことにも手数料をとる
    • 個人の取引情報の売買を許容する
    • インフレにしてリボ払いがむしろ有利になるように仕向ける

「現金の魅力が低い国の国民は誇らしいですか?」という問いでもある。 そうはいっても自然と国は劣化していくだろうから、仕方なく現金が不便な 国になることはありえる。コミケでは1000円札が最速の決済方法だったけど 強盗リスクや偽札リスクが高まるとごつい金庫がないと運営できないとなると 考え直す必要が出てくる。