山本ゆうごブログ

山本ゆうごの仕事メモ

Web系とSIerの違いと偏見と誤解

Web系は自社サービスでSIerは受託開発

だいたいあってる。

自社サービスは開発したシステムを何処かに納品するのではなく、自分達で運用してユーザからは広告費や利用料課金で稼ぐのが自社サービス。

受託開発は開発したシステムを納品する。システムは発注したお客様のもの。納品した瞬間にお金が発生する。

ただSIerも当然自分達が運用した方が経済効果が高い場合には自社サービスは存在する。消費者向けサービスをやってないだけで、クレジットカードの決裁インフラなどはSIerの自社サービスだ。

Web系はtoCでSIerはtoB

雰囲気はあってるけどちょっと違うかも。自社サービスだけどtoBというのはある。 Freeeやクラウドサインは企業向けだけどWeb系だ。 企業向けであっても、導入が会員登録だけで使えるような自社サービスの場合、ユーザが企業なのかユーザなのかはあまり関係ない。

Web系はブラウザで使えるサービスでSIerはWindowsのDesktopアプリ

雰囲気はあってる。SIerは企業向けサービスを提供するので、無理にセットアップが楽なブラウザベースのアプリでなくてもいい。セットアップの容易さではなく、業務の効率を重視する。ボタン一つであれこれできるデスクトップアプリの方が便利なことは多い。LANの中で使えればいいのでなんならHTTPプロトコルでなくてもいい。エクセルマクロをファイルサーバー上で動かすシステムだってあり中のあり。

ブラウザを使った業務アプリケーションを「イントラネット」ということもある。LANの中で閉じてるインターネットだから。操作性やレスポンスを重視するとブラウザではなくデスクトップアプリが優位になることはよくある。

特に業務アプリはエンタメ性は必要なくて業務効率が命。COOLなフロントエンドではなく現場の機械を効率よく動かすことが必要。UIではない安定したドライバが大事。

Web系はモダン言語でSIerはCOBOLとJava

半分はあってる。SIerもモダンな言語を使うことはあるしオープンソースコミッタも在籍はしている。が圧倒的多数は、COBOLとJavaと.netだ。SIerが扱う業務アプリは年金のシステムや銀行のシステムなので人間の余命と同じくらい長持ちさせる必要がある。そうなると、「変化が少ないアーキテクチャ」を選ぶ必要がある。

「モダン」が新しいという意味合いでは素晴らしいのだけれど「短命」なアーキテクチャは害悪でしかない。

Web系はクラウドインフラでSIerはオンプレ

だいたいあってる。Web系はユーザー数をどかーんと増やすサービスの成長がありえる。一方で業務系はユーザー数があんまり変わらない。従業員数が跳ね上がることもない。「一定の数の重い処理を動かす」のはオンプレのほうが有利。負荷が大きくなったり小さくなったりするのはクラウドが有利。

Web系はTシャツでSIerはスーツ

だいたい合ってる。特にSIerはお客様が金融系のことが多い。どうしてもそのカルチャーに引っ張られる。

Web系はMacでSIerはレッツノート

だいたいあってる。特にSIerの仕事で.netが入ってくるとMacでは仕事にならない。お客様が使ってる端末に合わせるならWindows。そして圧倒的シェアがあるレッツノート。Web系は「iPhoneアプリで一発あてる」という仕事があるためそこはMac縛りになる。あとはWeb系であればLinux系のお仕事ができなくちゃいけなくて、bashが最初から動いてくれるMacは「Linuxに一番近いプリインデスクトップOSが銀座や表参道で即納品できる」として便利。今ではWSLのおかげでWindowsでもLinuxに近い環境は作れるけど、本当にここ数年の話。

Web系はベンチャー企業でSIerはJTC

うっすら合ってる。SIerは国や銀行のプロジェクトを受注することがあるので大量の人が必要。多重請負構造が悪だなんだと言っても「人が集めれるかどうか」が基準になるので、その参入障壁はかなり高い。一方でWebサービスは少数人数の組織からでも始めれる。